先日、私のもとに「警察ですが、詐欺グループの被害者を確認しています」という電話がかかってきました。
最初はとてももっともらしく、話し方も丁寧で、内容にもそれらしい説得力がありました。
相手は「詐欺グループの関係者を探している」と説明し、
さらにこんなアドバイスまでしてきました。
「今後は自宅ではなく、コンビニの宅配ボックスなどに荷物を送るようにしてください。自宅に配送すると、荷物の伝票から個人情報を悪用されることがあります。」
一見すると、親切で警察らしい助言のように聞こえます。
しかし、会話を続けていくうちに、少しずつ違和感が出てきました。
⚠️ 詐欺だと気づくきっかけになったポイント
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個人情報を詳しく聞かれた
購入の習慣や配送先、その他の個人的な情報など、警察の調査とは関係のない内容を質問されました。 -
携帯電話からの着信だった
政府機関や警察からの連絡にしては不自然だったので理由を尋ねたところ、「まだ関係者を探している最中なので、携帯電話の方が人々が出やすいんです。」
という説明がありました。 -
日本語が上手だが、少し違和感のある発音
話し方は流暢でしたが、時折ネイティブとは違う発音や抑揚が感じられました。 -
態度の変化
私が疑い始めると、相手の話し方が少し荒くなり、丁寧さが消え、
その後、突然電話が切られました。
💡 このような詐欺の狙い
この手の電話詐欺は、最初に信頼を得ることを目的としています。
警察官・役所職員・宅配業者など「権威ある存在」を装い、相手に安心感を与えた上で、
個人情報(PII)や金融情報を聞き出して、後に不正利用を行う手口です。
🧭 自分を守るためのポイント
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電話で個人情報を絶対に伝えない
警察が電話で住所・購入履歴・配送先などを聞くことはありません。 -
相手の身元を必ず確認する
いったん電話を切り、最寄りの警察署の「公式電話番号」に自分からかけ直しましょう。
着信履歴の番号にはかけ直さないようにしてください。 -
「権威」を利用する手口に注意する
「警察」「市役所」「金融庁」などの肩書きで信頼を得ようとします。
落ち着いて、冷静に判断することが大切です。 -
小さな違和感を大切にする
- 携帯番号・非通知番号からの着信
- 不自然な言い回しや言葉づかい
- 「すぐに対応してください」といった焦らせる言葉
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怪しいと感じたら通報を
不審な電話やメールを受け取った場合は、
警察庁サイバー犯罪相談窓口 または 最寄りの警察署 に相談してください。
🛡️ 最後に
近年の詐欺は非常に巧妙化しており、事実と嘘をうまく混ぜて信頼を得ようとします。
どんなに注意していても、思わず信じてしまうような内容もあります。
重要なのは、「すぐに信じない・必ず確認する」 という姿勢を持つことです。
そして、あなたの個人情報を 貴重品と同じように守る意識 が何よりも大切です。
FFI Systemsでは、このような実体験をもとに、企業や個人の皆様がサイバー詐欺や社会的攻撃(ソーシャルエンジニアリング)に騙されないよう情報を発信しています。
もし怪しい連絡を受けた場合や、従業員向けの教育・訓練を検討されている場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
「警察」を名乗る電話詐欺